このネタは何度目でしょうか。
まあそれほど、今後のダンス界の行く末に関わるぐらいの話ですので、何度も出てくるわけなのですが、本日10日に新しいニュースが飛び込んできました。

ダンス規制、教室は除外へ クラブは店内の明るさで判断

客にダンスをさせる営業の規制緩和を検討してきた警察庁の有識者会議は10日、ダンス教室を風俗営業法の規制対象から外すよう求める報告書をまとめた。風営法から「ダンス」という文言を削除。暗い空間で大音量の音楽を流すクラブは、店内の暗さや営業時間に応じて規制する。警察庁は秋の臨時国会に改正法案を出す。

朝日新聞デジタル

これは大きなニュースです。
風俗営業法の改正に強く反対の意見を出してきたのは、他でもないこの警察庁です。
理由は、クラブなどでの事件や麻薬売買など、事件の温床になりかねない、という言うことです。
私もそう思います。
クラブなんて、正直ダンス踊りに行くのが目的ではなく、8割方ナンパ、どんちゃん騒ぎ。
近所の迷惑にもなりますし、実際殺人事件も前に起こりました。現在の法でなくとも、何らかしらの規制が必要な事は明らかな事でしょう。

そこに巻き込まれているのがダンス教室(というか、もともと戦後、社交ダンスホールが売春の温床になっていたというのが事の発端の様ですが)

ダンスはいかがわしいものだったということで、ずっと規制されてきました。
免許を取ることで風営法から適用外になるようになって20年以上でしょうか。しかし、相変わらず社交ダンス教室を含め、室内でダンスを踊ることは風俗営業法で規制されていたわけです。

今回の決定は、警察庁内部の有識者会議の結論ですので、これをもとに法律の改正案が出ることになるでしょう。
今までの外部からの進言・提案ではなく、反対者からの明確な方向性です。

ついに社交ダンスを含め、普通のダンス教室が風俗営業法から外れる見込みが立ってきました。
これはビッグニュースと言ってもいいでしょう。

が、これに反対する方たちもいます。

〈ダンス営業規制の緩和〉「経済的な効果は大きい」浅川真次氏/「文化守る防波堤は必要」村松昌弘氏

--風営法でのダンス教室の営業規制を撤廃する動きについて

 「現在の規制は社交ダンスの水準を維持する上できちんと機能しており、これを撤廃するのはいかがなものか。規制緩和によって起こりうるリスクをきちんと議論してほしい。現在はダンス関係団体が教室の広さなどの自主規制を設けており、教師資格を付与するときも技術に加えマナー、倫理観、法律面で一定の基準を設けているが、参入が自由化された場合に一体どこが自主規制するのか。ダンスは体を接する面があり、資格のない先生が入ってきては困ったことになりかねない」

--どんな新規参入がありうるか

 「クラブの営業に実質的な規制が残った場合、規制が廃止されるダンス教室を狙って業者が集中して参入する恐れがある。出会い系ダンス教室や、狭くて暗い不健全な教室、さらには女子高生の先生などが出現しかねない。そうした危険性を考えずに規制を外すのは考えものだ。いまなおチークダンスを連想するなど、社交ダンスに不健全なイメージを持つ方も一部にいるかと思うが、われわれは社交ダンス文化の向上に努めてきた。規制緩和でその努力が水の泡となりかねない。ダンス文化を守る一定の防波堤は必要だろう」
(全日本ダンス協会連合会 村松昌弘副会長)

msn 産経ニュース

なんと、社交ダンスの団体が反対しているんです。意味がわからないですよね!

そうですか、出会い系ダンス教室ですか。いいアイディアですね。
女子高生が、ダンス教えてくれるんですかね。。
私もやってみようかしら。

まあいろんな意見がありますし、私もダンス界の人間ですのであまり表だって批判もできませんが、規制がなくなって困る人たちがいるのは確かです。

何故かというと社交ダンスは今まで風俗営業法の適用外になるために、ダンス教師免許を取ることがが必要でした。それは国の認可を受けた団体が発行するので、独占業務でした。
1回の試験で10万単位でお金がかかります。講習も含めたら多分30万ぐらい必要だったかも(ちょっとうろ覚えですが)
さらに、協会に所属するため、毎年1万円ぐらいの会費がかかります。(実はこの教会会費は、教師免許そのものとは別物なので、払わなくても教師免許を維持できるはずなのですが、あまり公になっていません。たぶん日本のプロダンサー(ダンス教師)のほとんどはこの事実を知らないと思います。)

風営法から社交ダンスが外れたら??
教師免許は必要なくなりますね。教師免許がなくなると試験費用も会費もかかりません、、、という事ですね。

まあ、社交ダンス団体は、天下りなどを受け入れたりする事をしてこなかった健全!?な団体だと思いますので、そこに政治的な要素が絡むことは恐らくなく、警察庁の至極まっとうな判断の元、社交ダンスが風営法から外れることは、秒読みと言ってもいいのではないでしょうか?

もちろん我々プロの講師も、喜んでばかりではいられません。
教師としてプロもアマも区別がまったく無くなりますので、今以上にダンスを教えることに対して真剣に向かい合わなくてはいけなくなります。

色々言いましたが、私としては、とても嬉しいニュースではないかと思います。

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